第3回公募の事業再構築補助金について、先日採択事業者の発表がありました。
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/result.php
採択事業者については分野別に検索することもできます。
障害福祉分野において新分野展開や農福連携として新たな事業導入について採択されたケースもあり
気になった取り組みをピックアップしていきたいと思います。
➀椎茸の菌床栽培による就労支援事業所の開所
空いた農地を活用して就労支援事業所を開設し、
椎茸のハウス栽培事業を展開していく取り組みです。
採択情報からは農業に関しても新規事業かまでは読み取れませんが、
認定機関として金融機関も入っているので、地域における取り組みとして
空いた農地を活用していく手法と見受けられます。
就労継続支援の事業所なのか、具体的なサービス名はわからないものの
障害福祉サービスであれば指定申請のスケジュール管理も必要ですし、
この事業に限らず、農地を活用することについては農地法による制限もあります。
加えて、開発許可の手続きが必要なケースもあるため
必要な許認可については事前に把握した上で計画を立てていくことが必要です。
➁児童発達支援・保育所等訪問支援の多機能型事業所の開所
既存事業である小学生の発達障害学習支援事業や認可外保育事業の経験を活かし、
児童発達支援と保育所等訪問支援の多機能事業所を開所する取り組みです。
この中で、既存事業が放課後等デイサービスとして指定を受けているものかは不明ですが、
子どもに関わる既存の事業経験をベースに
新しい事業展開として障害児通所支援事業所を展開するケースは
採択事例の中でもいくつか見受けられます。
③日本初!パラアスリートに向けたメンテナンス付きグループホーム
障害者グループホームの不足と、パラアスリートに対して特化した治療院不足と
高単価施術費といった社会課題を同時解決するメンテナンス付きグループホーム開所の取り組みです。
パラアスリートにとって日々のメンテナンス費、維持費などの経済的な問題は大変深刻だと聞きます。
先日、スキー指導者の方で障害のある方にも指導を続けている方の講演に参加する機会があり、
その中でもパラスポーツ選手のスポンサーや資金問題について触れられていました。
具体的にどういった施設設備となるのか採択情報からは読み取れませんが、
共同生活の中で、所定の設備とは別にトレーニングルームの確保や
機能的なリハビリテーションが可能な専門スタッフの配置などが考えられます。
採択後のプロセスも重要
今回、採択事業についていくつかご紹介しました。
この事業再構築補助金だけでなく、補助金については採択後のプロセスも重要です。
スケジューリングにも縛りがありますし、採択後の交付申請以降
手続きを滞りなく進めた上で初めて補助が成り立つ仕組みになっています。
補助金だけでなく、許認可が必要であれば
そのために必要な手続きに要する期間も考慮しておく必要が出てきます。
また、一度は自己資金等での持ち出しになることが前提であり、
資金計画についても綿密に立てておく必要があります。
現在、第4回の公募も始まっています。
事業運営を長期で見据えることを前提として、補助金ありきでの計画ではなく
「選択肢」の一つとしてご紹介させていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。