放課後等デイサービス・児童発達支援事業所を数字でみる
障害児通所支援事業所を新規開設されたい方、
また別事業からの参入や事業再構築補助金を利用して開設を検討される法人もよく聞くようになりました。
実際に、放課後等デイサービスや児童発達支援の数字としての現状はどうなのかというと、
児童発達支援・放課後等デイサービスについては、
平成24年の制度再編以降、サービス量・利用者数ともに毎年拡大しているところです。
利用児童が増えた理由としては、
①事業所の数自体も圧倒的に増えた
②発達障害の認知の広がりにより、従来、障害と認識されずに育てづらさ・生きづらさを抱えていた方も発達支援につながるようになったこと
③女性の就業率の上昇に伴う預かりニーズの増加
が挙げられています。
子どもの通う小学校でもスクールカウンセラーに相談できる機会が定期的に設けられており、
子どもの定期健診などで相談し切れなかった親御さんたちも専門家に相談し、アクセスできる機会が増えているように感じます。
もちろん利用児の増加以上に事業所数が増えたことで、地域によっては、障害福祉計画上
重心以外の児童を対象とする事業においては総量規制がかかっている自治体もあります。
ただ、統計からみると現状でも都道府県によって数には偏りがあります。
そして、同じ都道府県でも市区町村により数の偏りがあるものと推測できます。
個々のお子さんの療育ニーズをふまえ、的確に対応できる事業所が増えること、
また先ほど事業所が増えた理由の➂にありましたが、
親御さんが安心して働けるように日中の訓練施設として
放課後等デイサービスや児童発達支援事業所の需要はまだまだあると考えています。
これはお子さんが医療的ケアを必要とする親御さんにとっても特に大事な部分かと思います。
重心児や医療的ケアを必要とするお子さんを受け入れる体制の構築
障害児通所支援の事業所について総量規制がかかっているケースでも
重心児の施設や医ケアを必要とするお子さんを受け入れる体制であれば開設が可能という自治体もあります。
先月施行された「医療的ケア児支援法」の立法目的でも具体的に触れられていますが、
そのお子さん自身のためというのももちろんですが
「家族の離職を防止」し、「安心して子どもを生める、育てることができる社会の実現」という側面も重要です。
これは重心児以外を対象とした事業所でも同じだと思います。
施行された日のニュースで医療的ケア児をもつお母さんの特集が組まれていました。
そのお母さんは育児休暇中で、ここに掲げられるような医療的ケアが受けられる保育所でお子さんを預けて
働くことになっていましたが、職場復帰することにとても罪悪感を感じるとおっしゃっていました。
医療的ケアが必要であったり、障がいのあるお子さんを預けて働くことに、大なり小なり
抵抗を感じる親御さんがいるのは事実で、周囲でもそういった現状を感じることがあります。
来週、地域の障害福祉計画会議にも参加しますが、児童本人のニーズだけでなく
家族の就業をふまえた施設開所の需要は、児童や障害者のサービス全体を含め、まだまだ必要であると感じるところです。
行政書士として、事業所の開所や運営に伴ってサポートをしていく中で、個々の業務が事業所の方々にとって、
また利用者の方やそのご家族にも繋がっていることを考えながら、日々取り組んでいきたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
【参考資料】障害児通所支援について 社会保障審議会障害者部会第115回(R3.7.28)資料2 等