子育て世代の行政書士 宮地です。
本日、強度行動障害支援者養成研修(基礎研修)を受講してきました。
1 強度行動障害支援者養成研修の概要
強度行動障害支援者養成研修のカリキュラムは
厚生労働省の通知(令和2年5月20日障発0520第1号改正現在)により示されています。
各自治体から委託を受けた団体が、このカリキュラムに沿って研修を提供しています。
ですので「申込み」は自治体ではなく、委託先の研修実施団体にて行っています。
私が受講したのは、埼玉県内での基礎研修のみですが
2日間の研修で2日目に研修修了証がもらえる流れです。
これに関しては、自治体によるため後日研修修了証が発行される場合もあります。
強度行動障害支援者養成研修を受講することで加算の検討をされている事業所は
いつ修了証が交付されるかは必ずご確認ください。
2 「強度行動障害の定義」
強度行動障害とは、
「自傷、他傷、こだわり、もの壊し、睡眠の乱れ、異食、多動など本人や周囲の人のくらしに影響を及ぼす行動が、著しく高い頻度で起こるため、特別に配慮された支援が必要になっている状態」
といわれています。
行動障害の中でも「強度」とついていますが、常にそのような状態というわけではありません。
状態なので、良くなったり悪くなったり、現れたり消失したりするものです。
固定の状態ではなくて、普段はむしろ穏やかな状態も多いわけですね。
3 児童期の予防の大切さ
このように強度行動障害については、「状態」であることから予防する、将来その状態にならないようにする
ということが重視されています。
全日本手をつなぐ育成会の統計調査によれば、一番行動障害が重篤だった時期の分布としては
➀高等学校、➁中学校
の順に多い内容となっています。
ただ、この段階になって急に強度行動障害が現れるというより幼い時期や児童期に感じたストレスが
時間が経って強度行動障害として現れると指摘されています。
そういった意味で、幼児期、小学校期にその子の特性をふまえた支援を通じて
どのくらい将来の強度行動障害を予防できるか
ここに重点が置かれています。
4 最後に
強度行動障害の支援者養成研修については、事業所としても、運営をサポートしていく行政書士サイドとしても
受講することでの加算について意識しがちです。
確かに、人員体制を整え、取得しておきたい加算を取得しておくことは運営上も必要です。
ただ、この研修を受けることによって、行動上の課題を抱えやすい自閉傾向や
知的障害のあるお子さんの「行動」を理解し、
そのお子さんの行動の根底にあるものに「思いを及ばせる」視点を取り入れることで
一人一人にあった支援のきっかけになると思います。
実際に、研修の中ではアセスメント項目や行動観察シートなど
現場での支援に活かせる資料の共有もありました。
障害福祉や介護分野の経営者の方にもぜひ受講していただきたい内容です。
加算も大事な要素ではありますが、支援の本質は何かということを考える意味でも
とてもよい経験になりました!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。