2022年2月(今月)からスタートする、処遇改善臨時特例交付金。
厚労省のページでも確定版のリーフレットとQ&Aが公開されました。
2022年2月~9月までの間が、この臨時特例交付金の対象期間で、
10月以降も、臨時の報酬改定により同様の措置が継続となる予定です。
自治体のHPでも随時アップされていて、ローカルルールもありますが
厚労省提示の流れで解説します。
※実際の流れや期限については、各自治体のHP等をご参照ください。
国の発出内容と異なる可能性もあります。
交付金の金額はどのように決まるの?
サービスにより、交付額が変わります。
かつ、事業所の判断により配布する職員を自由に設定できるため
全職員さんに一律月額9000円の賃金改善の保障がなされるわけではありません。
サービスによって、検討されている率もバラバラです。
なお、誰に配れるかという点については、令和4年2月段階で特定処遇改善加算を取得していなくても、
児発管あるいは管理者にも事業所の判断で配布可能とされています(埼玉県:令和4年2月現在)。
参考:福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金に関するQ&A(令和4年2月2日)問12
この点は、指定を受けている都道府県の判断にもよるため直接のご確認をお勧めいたします。
交付金の対象となる要件は?
➀まずは、2022年2月時点で処遇改善加算Ⅰ~Ⅲのいずれかを取得している必要があります。
この点については直前まで曖昧なところもありましたが、
既存事業所については2月サービス提供分から加算取得が前提となります。
なお、4月以降に開所する新しい事業所については、例外が認められています。
福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金に関するQ&A(令和4年2月2日)問20
➁賃金改善は原則2月からスタートする必要がありますが、
間に合わない場合は3月に2,3月分まとめて賃金改善を行うことができます。
賃金改善については
福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金に関するQ&A(令和4年2月2日)問1,2参照
➂交付金の全額を吐き出す必要があることはいつもの処遇改善と同じです。
ただ、賃金改善の合計額3分の2以上をベースアップ等に充てる必要があります。
これはこれまでの処遇改善と異なる扱いです。
つまり、払い出す先に制限はなくても、払い出し方法には制限が入ります。
一時金等で対応できるのは3月までですので、就業規則の改訂など
抜本的な見直しが必要になる事業所も出てきますね。
ベースアップに関しては
福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金に関するQ&A(令和4年2月2日)問3以降参照
なお、計画書と実績報告書に月額の賃金改善額の総額を記載しなければならない点も
今までの処遇改善加算と違う所です。
※月ごとの賃金改善額 >その月の補助金額
までは求められないとされています。
申請手続きはどうおこなうの?
交付金の届出先は都道府県です。
通常の処遇改善と同じく、実績報告書の提出も求められますが
この場合の実績報告書についても都道府県に提出です。
次の項目で述べますが、
報告書 → 計画書 → 実績報告書
の提出が交付金の受領には必須ですので、都度気を付けて対応いただく必要があります。
交付金はいつから入って、どんなスケジュールなの?
申請スケジュールに関しては、まずは2月に賃上げ開始の報告書提出が必要です。
これに関しては、すでにスケジュールが公開されている東京都の扱いでは
◆原則として2月末までの提出期限で設定されています。
※2月中に賃金改善が間に合わなければ3月末まででOK
参照:福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金に関するQ&A(令和4年2月2日)問18
この「報告書」はいつもの処遇改善加算のスケジュールにはない流れなのでご留意ください。
計画書の提出は4月、実績報告書は来年(2023年)1月が予定されています。
なお、2月から実施の交付金ですが、実際に交付金が入ってくるのは6月以降です。
賃金改善は2月以降先駆けて行い、入金は6月以降になるためこの点もポイントです。
さらに、令和4年10月以降もこの特例交付金制度が実質的に続くことを考えると
その前の8月前後に再度計画書の提出も見込まれます。
【引用資料】福祉・介護職員処遇改善臨時特例交付金リーフレット(厚労省)
最後に
少しずつ各自治体のHPにもアップされ、報告書についても書式が出ている自治体もあります。
実際に運用してみないと、という側面もありますが
10月以降も制度が続くことを考えると、ベースアップについては早めの対応が必要です。
まだ処遇改善加算や特定処遇改善加算を取得されていない事業所におかれましては、
10月までに早めの対応をおすすめします。